こんにちは、西が丘薬局の薬剤師 E.Mです。

　2020年7月5日に「感染対策キホンノキ」と題して、感染予防策や今話題になっている感染症（今回は主にウイルス感染症中心）について第4回オンライン研修会セミナーを開催しました。

　感染症は病原体、感染経路、宿主の３つの要因が揃うことによって成立します。この３つの中でも感染経路の遮断をする事が感染症の拡大予防のためには大切になってきます。
　感染経路としては主に接触感染、空気感染、飛沫感染の3つが挙げられ、その防御策としては①感染症の疑いのある無しにかかわらず全ての患者さんに行う標準予防策、②感染症患者もしくはその疑いがある患者を対象に標準予防策にプラスアルファで行う感染経路別予防策があります。
　標準予防策の中でも手指衛生（手洗いやエタノールなどでの消毒）や、マスクなどの防護具の使用は医療関係者でなくてもなじみ深いですが、正しい方法で行わないと効果が不十分となってしまいます。
　外出時に御手洗で手を洗った後に濡れた手で髪を触ったり、マスクから鼻や顎を出していたりする方をしばしば見かけます。厚生労働省や国立感染症研究所のホーム   ページなどで手指衛生や個人防護具の使用方法や注意点、環境清掃の仕方は紹介されていますので、これを機会に手洗いや咳エチケット、身の回りの環境整備などを見直してみてはいかがでしょうか？

　今回、コロナウイルスや麻疹、風疹、インフルエンザ、流行性角結膜炎などのウイルス感染症についてもお話ししましたが、いくつかの疾患はワクチンが開発されており、予防する事が可能です。ワクチンの副反応を恐れて接種を躊躇う方もいるようですが、成人麻疹の重症化や、先天性風疹症候群やムンプスウイルス（おたふく風邪）による無菌性髄膜炎などの重い症状にならないため、周りの人に拡げないためにもワクチン接種は大切です。

　三重県では妊娠希望の女性やその配偶者などが希望すれば無料で受けられる風疹抗体検査事業や昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日までに生まれた男性対象に抗体検査と予防接種のクーポン配布なども行われていますが、まだまだ利用が進んでいないようです。

　感染対策は全員で取り組む必要があります。自分や周りの大切な人を守るためにも一丸となって頑張りましょう。

薬剤師 E.M